1. 驚異的な数字:それでも「市場の期待」には届かない
まず、今回の決算がいかに「異常」なほど良かったかを数字で示します。
総売上高: 816億ドル(前年同期比 +85%)※市場予想の805億ドルを余裕で突破
データセンター部門: 752億ドル(前年同期比 +92%)
純利益: 583億ドル(前年同期比 +211%)
株主還元: 800億ドルの自社株買い枠を追加、配当金を0.25ドル(25倍)へ大幅増配
ポイント: これだけの「爆益」を出し、自社株買いという強力な「盾」を構えたにもかかわらず、発表後の株価は一時2%近く下落しました。
2. なぜ下がったのか? 4つの核心的理由
① 「Sell the Fact(事実で売る)」の典型: 決算前に「絶対に良い数字が出る」と確信していた投資家たちが、発表と同時に利益を確定させる売りを出しました。好材料が出尽くしたという判断です。
② 「粗利益率」のわずかな鈍化: 非GAAPベースの粗利益率が75.0%と、前四半期の75.1%から0.1ポイント低下しました。ほんのわずかな差ですが、アルゴリズム取引や「利益成長のピークアウト」を懸念する層にはネガティブに映りました。
③ 「Blackwell(ブラックウェル)」から「Vera Rubin(ルービン)」への過渡期: 現在主流のBlackwellは依然として凄まじい需要がありますが、市場の関心はすでに2026年第3四半期に投入される次世代アーキテクチャ「Rubin」に移っています。新製品への切り替え時期に特有の「買い控え」や「供給の端境期」への警戒感が生まれています。
④ カスタムシリコン(ASIC)勢の台頭: Broadcom(ブロードコム)やMarvell(マーベル)が主導する、クラウド大手(AWSやGoogle等)の自社専用AIチップへのシフト。NVIDIAのGPU一強時代から、より特化型のチップへ需要が分散し始めるのではないか、という長期的な懸念です。
3. 今後の注目:Computex 2026での「ジェンセン・ファン」の言葉
来週6月2日~5日(台北)で開催されるComputex 2026で、CEOのジェンセン・ファン氏が登壇します。
ここで次世代プラットフォーム「Vera Rubin」の詳細や、エージェントAI(自律型AI)向けの新しいロードマップが発表されれば、再び株価の潮目が変わる可能性があります。
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