何が起きたのか
6月5日、NASDAQが-4%という今年最大の下落を記録した。
CRWD・AVGO・MRVLと好決算が続いた直後の出来事だ。個別の下落率を見ると:
| 銘柄 | 下落率 |
|---|---|
| MU(マイクロン) | -6.3% |
| AMD | -6.3% |
| MRVL(マーベル) | -8% |
| AVGO(ブロードコム) | -3.8% |
| NVDA | -4%前後 |
「好決算が続いているのになぜ?」と感じた人は多いはずだ。今日はこの現象を深掘りする。
最大の原因:雇用統計が強すぎた
6月5日朝、5月の雇用統計が発表された。
| 指標 | 予想 | 結果 |
|---|---|---|
| 非農業部門雇用者数 | +8.5万人 | +17.2万人(予想の2倍超) |
| 失業率 | 4.3% | 4.3%(変わらず) |
| 平均時給(前月比) | +0.3% | +0.3% |
「雇用が強い」というのは通常ポジティブなニュースに聞こえる。しかし今の市場では**「Good news is bad news(良いニュースが悪いニュース)」**という逆説的な反応が起きた。
仕組みはこうだ:
- 雇用が予想の2倍→労働市場が強すぎる
- 労働市場が強い→インフレが再燃するリスク
- インフレが再燃→FRBが利下げどころか利上げを検討する可能性
- 金利上昇→将来の利益を割り引くグロース株(テック・半導体)に逆風
- 国債利回りが急騰→半導体株が一斉に売られる
発表直後に国債利回りが急騰し、株式先物はほぼ全面安で反応した。「FRBの利上げ再燃リスク」が市場を支配した瞬間だった。
「Sell the News」も重なった
雇用統計という最大の原因に加え、「Sell the News」という現象も重なった。
投資の世界に「Buy the Rumor, Sell the News(噂で買って、事実で売る)」という格言がある。今週はCRWD・AVGO・MRVLと好決算が相次いだが、**「すでに織り込み済み」として売られた。**特にMRVLはComputexで+33%急騰した直後だったため、利確の動きが一気に出た。
さらにCiti・BofAからの警告
タイミング悪く、同日に2つの警告が出た。
- Citi:「現在の世界株式市場は2008年以来最も割高な水準にある」
- BofA(マイケル・ハートネット):「AIが引き起こすインフレを見落とすことで、FRBが株式バブルを煽るリスクがある」
これらの警告が雇用統計ショックと重なったことで、機関投資家がポジションを落とす動きが加速した。
長期投資家として考えること
この下落は本質的な問題か?答えはノーだ。
CRWD・AVGO・NVDAのビジネスファンダメンタルズは何も変わっていない。AIへの需要は加速しており、各社の決算がそれを証明している。
こういう局面でパニック売りするのが一番やってはいけないことだ。むしろ長期で保有している銘柄が一時的に下がった時こそ、冷静に「買い増しのチャンスか」を考える時間だと思っている。
まとめ
- 原因①:好決算が「Sell the News」の対象になった
- 原因②:年初来大幅上昇後の利益確定が一気に出た
- 原因③:Citi・BofAの「割高警告」が機関投資家の売り口実になった
- 本質:AIビジネスのファンダメンタルズに変化なし。長期保有方針に変更なし
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