結論から
ブロードコムのQ2決算は「記録的」の一言に尽きる。
AI半導体売上が前年比143%増の$108億。売上全体の49%がAIチップから生まれた。つまりブロードコムの収益の約半分がAIになった瞬間だ。
それでも株価はアフターアワーズで約-3%。だが本質はAIエンジンが爆発的に成長し続けているという事実だ。
数字で見る決算サマリー
| 指標 | 結果 | 前年比 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | $221.9億 | +48% | ◎ 過去最高 |
| AI半導体売上 | $108億 | +143% | ◎ 圧倒的 |
| 非GAAP EPS | $2.44 | 大幅増 | ◎ 予想$2.32を大幅超え |
| GAAP純利益 | $93.1億 | 大幅増 | ◎ |
| 調整後EBITDA | $152.4億 | - | ◎ 利益率69% |
| 営業キャッシュフロー | $104.9億 | - | ◎ 過去最高 |
| フリーキャッシュフロー | $102.6億 | - | ◎ FCFマージン46% |
| 四半期配当 | $0.65/株 | - | ◎ 継続 |
| AI受注残 | $300億超 | - | ◎ パイプライン盤石 |
| ソフトウェア部門 | 予想を小幅下回る | - | △ 唯一の懸念点 |
ホック・タンCEOの言葉
「Q2はAI半導体売上とAIネットワーキングへの需要増により、カスタムAIアクセラレータとAIネットワーキング分野で$108億の記録を達成した。このモメンタムは続いており、Q3ではAI半導体売上が200%以上の成長を見込んでいる」
Q2の+143%から、Q3は+200%超という見通し。これは減速ではなく加速だ。
ブロードコムとは何者か:投資家目線の整理
ブロードコムを「半導体メーカー」と一言で片付けるのは間違いだ。正確には2つの顔を持つ会社だ。
顔①:カスタムAIアクセラレータ
GoogleのTPU・MetaのMTIAなど、大手テック企業が「NVIDIAに依存せず自分専用のAIチップを作りたい」という時に頼るのがブロードコムだ。カスタムチップ設計の世界最高峰として君臨しており、今後もAIデータセンターの需要増で直接恩恵を受ける。
顔②:インフラソフトウェア(VMware)
2023年に約$690億でVMwareを買収したことで、エンタープライズ向けソフトウェアが収益の柱の一つになった。今回このソフト部門がわずかに予想を下回ったことが株価-3%の原因だ。
Q3ガイダンス:桁外れの数字
Q3の売上ガイダンスは**$294億**。前年比**+84%増**という異次元の見通しだ。
FY2026通年のAI売上目標は**$560億**。FY2027の目標は**$1,000億**という野心的な数字を掲げている。
$1,000億というのはNVIDIAの2026年通年売上($2,130億)の約半分に相当する。ブロードコムはNVIDIAに次ぐAI半導体の巨人として確固たる地位を築きつつある。
NVIDIAとブロードコムは競合か、共存か
よく聞かれる質問に答えておく。
答え:共存だ。
NVIDIAはGPUというアーキテクチャで汎用AIコンピューティングを提供する。ブロードコムは各社が「自分専用」のチップを作りたい時に設計・製造を請け負う。
GoogleがTPUを使い続けながらNVIDIAのGPUも使うように、両者は競合ではなくAIエコシステムの異なるレイヤーを担っている。
今後AI需要が拡大すれば、両社ともに恩恵を受ける構造だ。
株価が-3%になった理由
ソフトウェア部門(VMware関連)が市場のウィスパー予想をわずかに下回った。これだけだ。
AIエンジンは過去最高、ガイダンスは大幅上方修正、FCFマージン46%。それでも売られる。
長期投資家としては、こういう局面が冷静に拾えるチャンスになることが多い。
まとめ
- AI半導体売上$108億(+143%):売上の約半分がAIチップ
- EPS $2.44:予想$2.32を大幅に上回る
- FCFマージン46%:異次元の収益性
- Q3ガイダンス$294億(+84%):AI成長200%超を見込む
- FY2027 AI売上目標$1,000億:NVIDIAに次ぐAI半導体の巨人へ
- 株価-3%:ソフトウェア部門の小幅ミスが原因。本質は強い
本記事は現役投資家の視点からまとめたものです。投資判断は自己責任でお願いします。
Msvari投資学 | @msvari_invest
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