決算サマリー(2026年Q2 / 4〜6月期)
TSMCは2026年4〜6月期の連結売上収益が前年同期比36.0%増の1兆2,703億8,000万台湾ドル(米ドル換算で402億ドル)、純利益は前年同期比77.4%増の7,065億6,000万台湾ドル、希薄化後EPSは1株当たり27.25台湾ドル(米ADRで4.31ドル)となり、いずれも過去最高を更新した。
| 指標 | 結果 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高(USD) | $402億 | +33.7% |
| 純利益 | NT$7,065億 | +77.4% |
| EPS(ADR) | $4.31 | +77.4% |
| 粗利益率 | 67.7% | +約4pt |
最大のサプライズ:通年成長見通しを「40%超」へ上方修正
AI関連需要が引き続き極めて強固であることを受け、2026年通年の売上高成長見通しを米ドルベースで「30%強」から「40%強超」へと大幅に引き上げた。当初ガイダンスの上限($402億)を上回っての着地で、さらにその上を示した形だ。
先端ノードがすべてを牽引
先端ノード(7nm以下)がウェーハ収益の77%を占め、HPCプラットフォームの売上は前四半期比20%増となり、全体の66%を占めるまでに拡大した。粗利益率は前四半期比1.5ポイント改善の67.7%と、ガイダンス上限(67.5%)を上回った。
2nmの出荷はウェーハ収益の3%、3nmが30%、5nmが33%、7nmが11%を占めた。2nmはまだ立ち上げ初期ながら、3nmと5nmが収益の主軸として機能していることが確認できる。
Q3ガイダンスも強烈
第3四半期の売上高は446億〜458億ドルを見込んでおり、前四半期比12%増・前年同期比37%増(中間値)となる見通しを示した。粗利益率は65〜67%、営業利益率は56〜58%を想定している。
粗利益率は2nmの量産立ち上げによる希薄化を見込みつつも、高60%台の水準が続く見通しを示した。
懸念点:成熟ノードの弱さとコスト圧力
主な弱点は成熟ノードの需要だ。45/40nm・28nm・16nmはいずれも前四半期比で減収となり、電力管理ICとCMOSイメージセンサー向けに限って強さが見られる状況だ。また海外工場(日本・米国)の立ち上げコストが粗利率の上昇を一部相殺しており、この構造は当面続く見込みだ。
半導体市場全体への示唆
TSMCはNVIDIA・Apple・AMD・Qualcommなど業界を代表する顧客のチップをすべて受託製造しており、その業績はAIインフラ投資の「体温計」として機能する。TSMCの顧客はAI分野における設備投資の最大の牽引役であり、投資家やアナリストはAIインフラ整備の健全性と今後の方向性を推し量るべく、TSMCの業績や設備投資計画、経営陣の発言を注視している。
今回の決算は、マクロ懸念やメモリ株の急落が続く中で「AIへの実需は本物」であることを改めて示した内容となった。
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