マイクロンだけが輝く夜
6月24日、マイクロン(MU)が歴史的決算を発表し時間外で+15%急騰した。しかし同じ日の米国市場を見渡すと、S&P500は下落傾向が続き、ナスダックも重い。個別銘柄の爆発と、指数全体の弱さが同時進行している──この「ねじれ」こそ、今の市場を象徴している。
なぜ市場全体は弱いのか
理由は大きく3つある。
① 雇用統計の強さがFRBのタカ派化を招いた
6月5日に発表された2026年5月の米雇用統計は、市場予想を大きく上回る内容だった。非農業部門雇用者数は前月比17.2万人増と、予想の8〜10万人程度を大幅に上回り、3月・4月分も合計9.3万人上方修正された。
これが何を意味するか。米10年国債利回りは再び4.5%を上回り、FRBによる利下げ再開期待が後退するとともに、2026年内の利上げ転換の可能性が市場に織り込まれつつある。
② 半導体・ハイテクはバリュエーション調整局面に入った
中長期の成長期待を織り込んで買われてきた半導体・ハイテクを中心としたグロース株は、金利上昇局面でバリュエーション面の調整圧力を受けやすい。実際、6月5日にはS&P500が2.64%下落、ナスダックは4.18%急落した。SOX(フィラデルフィア半導体株指数)は10.3%安と、2020年3月以来の大幅安を記録した。
③ AI過熱感への警戒と「中間選挙年」のアノマリー
バークレイズのストラテジストは「AI/半導体分野のモメンタムはより不安定に感じられる」として、過剰なポジション、大型IPOの流動性イベント、政策リスクを指摘している。さらに1958年以降のデータを見ると、中間選挙の年のS&P500は年前半にパフォーマンスが低迷し、秋以降に改善するアノマリーが見られる。2026年はまさにその年だ。
それでも業績は崩れていない
重要なのは、今回の株安は「企業業績の悪化を織り込む動き」ではなく「金利上昇を受けたバリュエーション調整」という点だ。半導体関連企業では、AI向け需要の拡大が引き続き業績を支えており、S&P500の12カ月予想EPSは力強い上昇傾向を維持している。
マイクロンの決算がその証拠だ。市場全体が揺れる中でも、AIインフラの実需は本物だった。
私の見立てと今後の戦略
市場の弱さは「業績悪化」ではなく「金利・バリュエーション調整」が主因。であれば、優良銘柄の押し目は仕込みのチャンスになり得る。
ただし野村證券は、2026年末のS&P500メインシナリオを7,300と置きつつも、イラン情勢の長期化などリスクシナリオのレンジ下限を6,200まで引き下げており、不確実性は依然高い。
今は焦らず、S&P500が-20%水準まで調整した局面を打診買いのトリガーとして待ちながら、毎月の積み立てを粛々と継続する方針だ。
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