決算サマリー(FY2026 Q3 / 3〜5月期)
マイクロン・テクノロジー(Nasdaq: MU)が米国時間2026年6月24日に発表した2026会計年度第3四半期決算は、EPSが予想$20.49に対して$25.11、売上高が予想$356.9億に対して$414.6億と、いずれも市場予想を大幅に上回った。
| 指標 | 結果 | 予想 | 前年同期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | $414.6億 | $356.9億 | $93.0億 |
| EPS(Non-GAAP) | $25.11 | $20.49 | $1.91 |
| 前年比成長率 | +346% | — | — |
売上・売上総利益率・EPSのすべてが過去最高かつ会社ガイダンス上限超えという、半導体メモリの歴史でも例を見ない数字だった。
最大のサプライズ:「戦略的顧客契約(SCA)16件」
今回の決算で最も市場を驚かせたのは数字だけではない。事業モデルそのものを変える発表があった。
戦略的顧客契約(SCA)16件が締結された。期間は原則5年(車載は3年)、テイク・オア・ペイ構造(買わなくても支払い義務が生じる拘束力の強い契約)で、フロア価格(下限)を設定。16件中14件では契約期間の最低保証売上が累計約1,000億ドルにのぼる。現金デポジット+関連コミットメントは$22B(うち現金デポジット約$18B)を受領見込みだ。
これはつまり、従来の「景気循環で売上が乱高下するメモリメーカー」から「長期契約で収益が可視化されたインフラ企業」への転換を意味する。
AI需要の構造:HBMは2027年以降も売り切れ
HBM3EおよびHBM4製品は2027年まで予約で埋まっており、需要は2028年まで拡大している。
特にデータセンター部門が前年比7倍の成長を遂げ、全セグメントで粗利益率が80%超に急上昇した。
Q4ガイダンスも強烈
第4四半期のフリーキャッシュフローは、供給逼迫とAI関連データセンターにおけるメモリチップへの強い需要に牽引され、300億ドルを超える見込みだ。売上高ガイダンスは$500億と、再びコンセンサスを大幅に上回る水準を示した。
株主還元・財務強化も着実に
現金・投資は$30.2Bで純現金$24.4B。FQ3に債務を$4.4B削減し、信用格付けは3大格付機関すべてから格上げ(BBB+へ)。2026年12月以降、余剰現金の100%還元を中期目標として掲げている。
懸念点も正直に書く
ゴールドマン・サックスを含む弱気派は、サムスン・SKハイニックス・マイクロンにわたる同期的な生産能力拡大が最終的に価格を圧迫すると警告している。また野村證券は、米国の大手クラウド事業者の設備投資の伸びが2026年後半にピークアウトすると予想しており、半導体指数はそれに一四半期ほど先行して連動する傾向がある。
メモリサイクルの「絶頂」が今なのか、まだ続くのかは正直わからない。
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